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北京建外SOHO
北京市内の住宅のほとんどは今まで公営の企業に属した社宅だった。それが最近制度が変わって、住んでいる人に格安の値段で払い下げられるようになった。日本の高度成長期と同じで持ち家政策だ。ところがそれが狭い。上の方の金持ち層に対して、こうした大きなユニットの需要が非常に大きいのだと思う。今回計画しているようなマンションに住むというのは北京では圧倒的なステイタスだ。夢の住宅とでもいうような。
こうした地域計画をつくるときには、1920年代のヨーロッパのような強い提案が必要じゃないかと思っている。林立するタワーは非常に均質に見えるが、足下周りはできるだけ多様性の許容できるような空間構成にしたいと思っている。街路と建築との関係は埼玉県立大学の街路とデッキのような関係にしたいと思っている。
ここで提示されているモデルは、東京でもニューヨークでも、あるレベルの階層の住処としては成り立つ。建築家はモデルをこそ提案すべきだとぼくは思っている。例えば、LDKタイプのモデルは建築をつくる側からの提案だった。そのモデルが今や現実を担うことができない、ということが問題である。さらに、問題はそのLDKモデルが家族という関係を象徴するモデルになっているということだ。現実の日本の家族はとっくにLDKモデルが象徴するような規範からは離れてしまっているのに、それでも住宅をつくるときにはその規範に拘束される。だから依然として日本ではLDKモデルがつくり続けられている。中国でもそれは同じだ。やはり多くはLDKモデルだ。
東雲の集合住宅も同じだが、ぼくは、SOHOモデルは従来までの家族の規範とはまったく異なるものになると思っている。
用途
共同住宅、店舗、事務所、SOHO,駐車場
設計
山本理顕設計工場
シーラカンスアンドアソシエイツ
みかんぐみ
新紀元建築工程設計有限公司
構造
構造計画プラス・ワン
設備
環境エンジニアリング
敷地面積
122.775 ㎡
建築面積
34.823 ㎡
延床面積
703.069 ㎡
構造規模
RC造、一部S造
竣工
2004.
備考
サイン:廣村デザイン事務所
照明:光環境計画